低身長症
子どもは成長と発達が特徴です。身長や体重は年齢や性別によって一様ではありませんが、
増加することがおとなとの違いです。
どの年齢でも年間5cmは最低でも伸びます。
背が低いと劣等感を持つことで子どもが悩むことがあります。
成長ホルモンによる治療や原因となる病気を早期発見して治療ができます。
下記の項目に該当することがあれば、気軽にご相談ください。
低身長症で受診の目安
1.身長標準偏差スコア(身長SDS)が-2SD以下(表)である場合
・身長SDSの計算は、以下の簡易身長チェックをご覧ください。
https://jcrgh.com/#htcheck へのリンク
統計学的に同年齢・同性の100人のなかで前から2から3番目になります。
確率的に目立つ低身長で、治療につながる可能性が高くなります。
・元来、低身長のお子さんが急に伸長した場合は、早発症が隠れていることがあります。
性腺抑制治療の対象となりますので、ご心配なら受診ください。
受信の目安(≦-2SD)
| ○男の子(単位:cm) | ○女の子(単位:cm) | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 年齢 | 標準 | 受診の目安 | 年齢 | 標準 | 受診の目安 |
| 2歳 0か月 | 85.4 | 79.4 | 2歳 0か月 | 84.3 | 78.4 |
| 2歳 6か月 | 89.6 | 83.1 | 2歳 6か月 | 88.4 | 82.1 |
| 3歳 0か月 | 93.3 | 86.4 | 3歳 0か月 | 92.2 | 85.5 |
| 3歳 6か月 | 96.9 | 89.5 | 3歳 6か月 | 95.9 | 88.8 |
| 4歳 0か月 | 100.2 | 92.5 | 4歳 0か月 | 99.5 | 91.9 |
| 4歳 6か月 | 103.5 | 95.3 | 4歳 6か月 | 102.8 | 94.8 |
| 5歳 0か月 | 106.7 | 98.1 | 5歳 0か月 | 106.2 | 97.7 |
| 5歳 6か月 | 110.0 | 100.9 | 5歳 6か月 | 109.5 | 100.6 |
| 6歳 0か月 | 113.3 | 103.8 | 6歳 0か月 | 112.7 | 103.4 |
| 6歳 6か月 | 116.7 | 106.8 | 6歳 6か月 | 115.8 | 106.1 |
| 7歳 0か月 | 119.6 | 109.5 | 7歳 0か月 | 118.8 | 108.8 |
| 7歳 6か月 | 122.5 | 112.2 | 7歳 6か月 | 121.7 | 111.4 |
| 8歳 0か月 | 125.3 | 114.7 | 8歳 0か月 | 124.6 | 113.9 |
| 8歳 6か月 | 128.1 | 117.2 | 8歳 6か月 | 127.5 | 116.4 |
| 9歳 0か月 | 130.9 | 119.7 | 9歳 0か月 | 130.5 | 118.8 |
| 9歳 6か月 | 133.6 | 122.1 | 9歳 6か月 | 133.5 | 121.2 |
| 10歳 0か月 | 136.4 | 124.5 | 10歳 0か月 | 136.9 | 123.9 |
| 10歳 6か月 | 139.1 | 126.8 | 10歳 6か月 | 140.3 | 126.7 |
| 11歳 0か月 | 142.2 | 128.9 | 11歳 0か月 | 143.7 | 130.2 |
| 11歳 6か月 | 145.3 | 131.0 | 11歳 6か月 | 147.1 | 133.8 |
| 12歳 0か月 | 149.1 | 133.9 | 12歳 0か月 | 149.6 | 137.0 |
| 12歳 6か月 | 152.9 | 136.8 | 12歳 6か月 | 152.1 | 140.2 |
2.成長速度が5cm/年以下である場合
どの年齢でも年間5cmは最低でも伸びます。この状態が持続すると、将来-2SD以下の低身長になる心配があります。
3.成長曲線が気になるパターンを示す場合(図)

Aのパターンは3歳頃から背がのびないのが目立ってきます。成長ホルモン分泌不全が疑われます。
Bのパターンは途中まで問題なかったお子さんが背が伸びなくなってきます。
他に病気、例えば甲状腺、脳腫瘍など、があることがあります。
Cは思春期になっていないのに急に背が伸びて大人っぽくなる場合です。
思春期早発症、いわゆる「おませ」が疑われます。
受診時に成長の記録があると、成長曲線が描きやすくなります。
母子手帳や保育所、幼稚園、学校での身長、体重の記録を持参ください。
女児の場合は染色体検査(ターナー症候群)が必要となりますので、平日午前においでください。
【思春期早発症】とは
思春期は性ホルモンが分泌され、大人の体になっていきます(二次性徴)。医学的に男子は精巣容量が4ml以上、女子は乳房腫大が始まりです。また、思春期に入ると、成長速度が亢進を伴います(思春期のスパート)。学校検診で身長データが経時的に記録され、伸長が他の子どもたちより急峻になると専門医を受診するようになってきています。
「思春期早発症」は二次性徴と思春期のスパートが年齢不相応に極端に早く始まることが特徴です。女子に多くみられます。従来、身長が平均以下で小柄であった子どもさんが急に平均以上になった場合は早発症の可能性が高いので注意してください。
放置すると問題となることは、①二次性徴が早発することから、他児との身体的差異から心理的ストレスを感ずること、②一時期は伸長して喜ばれることが多いですが、性ホルモンの影響で、骨の伸びしろ(骨端線)が他児より早期に閉鎖してしまい、最終的には低身長になりやすいこと、③二次的原因(例えば、脳腫瘍、副腎・甲状腺疾患など)が隠れていて生命予後にかかわることがあること、などがあげられます。ただし、一部には、ゆっくりと進行し、低身長になりにくいタイプもあります。
ご家族に男性で150cm台、女性で140cm台の方がおられることもあります。
ご心配なら、早めに受診してください。骨成熟が進展していると治療効果が低下します。来院時には、参考資料として、身長と体重の経過を持参ください。
診断は下記の症状が1つ以上あることが必要です。2つ満足すれば確定診断となります。
症状(女子)
- 乳房が腫大する、<7.5y
- 腋毛・陰毛が生える、<8y
- 初経がある、<10.5y
症状(男子)
- 精巣が4ml以上になる、<9y
- 陰毛が生える、<10y
- 腋毛・ひげ・変声が生える、<11y
治療は性腺抑制を始めます。4週ごとの皮下注射が主流です。抑制開始後伸長が低下します。骨端線の閉鎖を緩徐にするためですので、効果があると考えてください。
副反応は性腺抑制の結果、骨粗鬆症となることがあるので、治療前と治療後1年ごとに骨密度を測定しています。当科の子どもたちの成績では、とくに問題となるような検査結果は認めないようです。
治療前の(骨年齢-暦年齢)が>=2.5年と骨年齢が先行していますので、骨年齢/暦年齢が1.0前後になる時期まで注射します。概ね、女子は12歳頃まで、男子は14-5歳まで少なくとも2年ほど性腺抑制治療をします。
抑制治療中止後、早くて6か月~1年後に女児は月経が戻ることが多いようです。抑制治療中は日常生活、運動制限、薬剤併用、予防注射などにとくに制限や注意することはないです。
低身長症・思春期早発症・夜尿症の初診時について
- 低身長症・思春期早発症・夜尿症の初診時は、問診事項が多く、診察に時間を要しますので必ず電話予約(Tel.0798-22-8341)をお願い致します。(なお問診票を予めダウンロードし、必要事項を記入して持参して頂くと診察までがスムーズにすすみます。)
- 夜尿症は、腎・膀胱エコー撮影があります。排尿は我慢して来院してください。

